20135月某日


S


お疲れさまです。

先程は帰宅途中で失礼しました。何となく不機嫌な感じだったかもしれませんが、というのも、電話を貰った直前に、眼を擦ったら装着していた片目のコンタクトが破れてしまい、眼がほとんど見えず、しかもどこかで財布を落としてしまったことに気づき、かなり意気消沈していたところだったのです。

ここ最近、なぜか財布を落とすことが多く、自分のボケ加減に、しばしば多大な自己嫌悪に陥っています。


小原


20135月某日


S


おはようございます。

今日の月は下弦です。


さて、昨日は財布紛失事件で狼狽していましたが、今朝、戸棚の奥の方にあるのを発見しました。あっさりと解決。昨晩は、警察に電話したり、JRやバス会社に電話したり、カード会社や銀行に電話してカードの使用停止&再発行手続きをしたり、もう本当に大変でした。

さらに、今朝起きたら就寝前までかけていた眼鏡の所在が不明となり、またまたあちこち探しまくった挙句、ようやくベッドの脇に落ちているのを見つけた次第。

もう何をやっているんでしょう。

何か日常の意識と行動に問題があるとしか思えません。しかしまあ、そんな大袈裟なことではないでしょうが。すぐに大袈裟に考えるのがぼくの悪い癖です。


今日も仕事です。


小原

---------------------------------------------

小原君、おはようございます。


確かに今宵は正(180°)下弦月です。


お財布の件、見つかってよかったですね。ぼくも大殺界だった去年は自宅の鍵をはじめ、いろいろなものを失くしました。最近も眼鏡が小原君と同じようなことで、所在がわからなくなり、ほぼ二日間、明盲の状態で過ごした末、浴室の前のバスマット近辺に落っこちているのを発見したようなことがありました。


取り立てて大袈裟には考えませんが、すべてを加齢のせいとするのもどうかな、とは思います。不注意はつまり、気の緩みということですから。


昨日、スイスが休みだったのをいいことに、納期を割った仏和翻訳、500 ワードが今日の主な仕事です。


なんかうすら寒いですが、がんばりましょう。


S


20135月某日


件名:七人の侍


小原君、

こんばんは。


こちらは昨夜、久しぶりに黒澤監督の映画を視聴しました。

この作品はフランスでことに人気があり、パリの映画館ではいつでもどこかでかかっていました。

そしてぼくも二十代の砌に当地で初めて観たのですが、フランスでは外国物は大抵、吹き替えなのに、これに関しては台詞回しがよほど厄介だったのか、フランス語字幕付きでしたので、ストーリーがよくわかって助かりました。


言わずもがなの作品ですので、ここで何らか言及するかのごとき屋上屋を架すの愚は避けたいのですが、それにしても見所満載。役者の芝居、所作の演出はもとより、その絵作り(コンポジション等)、光の扱い、音響効果など半世紀以上前のものとは思えぬ完成度で、つくづく勉強になります(って映画評論家気取りか!?)。


七人を率いる勘兵衛(志村喬)の渋さ、にせ侍の菊千代(三船敏郎)のコミカルさもいいのですが、ぼくは個人的にすご腕の剣客、久蔵(宮口精二)のニヒルな感じが大好きです。この存在は「荒野の七人」で言うと、ちょうどジェームス・コバーンが演じた役どころに相当するのでしょう。


だらだら申し述べましたが、お時間があれば、小原君も是非、再鑑賞されることをお勧めします。何らか新しい発見があるはずです(そんな折、小原君の最近のお勧めはありますか?)。


雨もまたよし、ということで「椿三十郎」でも携えて郊外へ出かけてきます。

ご家族ともどもよい週末をお過ごしください。


S